猪野秀史による令和歌謡、……なるほど。
猪野秀史(INO hidefumi)といえば、やはりデビュー盤のマイケル・ジャクソン「ビリージーン」のフェンダーローズによるカバーが鮮烈で、当時愛聴していた。その後はあまりその活動を追っていなかったのだけど、2018年にリリースされた「SONG ALBUM」は、今までと一変して完全な歌モノ。しかも、ピチカートの小西康陽作詞の曲もあり、それがまた哀愁漂う良い曲で染みた。
何かのレビューで昭和歌謡ならぬ「令和歌謡」といった見出しを読み、なるほど、と。そして昨年秋にリリースされたシングル「squall」も渋くてよく聴いている。2020年にはニューアルバムがリリースされる模様。期待している。
INO hidefumi - Billie Jean @ TAICOCLUB'09 KAWASAKI
SKYTREE (スカイツリー) / INO hidefumi
ミッドタウンで鑑賞した「パラサイト 半地下の家族」について
少し前の話になるんだけど、2019年末にミッドタウン日比谷のTOHOシネマズで先行上映されたポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞した。
韓国映画界から世界に飛び出して活躍しているポン・ジュノ作品は好きで、と言っても、それほどマニアックに好きなわけではなく、「殺人の追憶」、「グエムル」、「母なる証明」、「シェイキング東京(短編)」は鑑賞していたけど、その他の作品は未見という程度。
それでも「パラサイト」はカンヌでパルム・ドールを獲っているし、アメリカでもヒットしているという話を耳にし、とても観たいと思っていた。
鑑賞したのは、先行上映初日の午後イチの回。広いシアターの観客席はほぼ埋まっていてた。観終わって思ったのは、世界的に大ヒットした「ジョーカー」と通底するテーマは近いと思うんだけど、物語の構成やアイロニカルなところなどを含めて、本作の方が断然良かった、ということ。
シアターを出てミッドタウンの華やかさの見方が変わる感触を含めての作品だった。
Asteroid Desert Songs「...Anyway, We'll Arrive at the Desert」
Asteroid Desert Songs(A.D.S.)の歌モノ曲である「...Anyway, We'll Arrive at the Desert」は泣けるメロディ。ときおり、無性に聴きたくなる一曲。
Google翻訳で曲名タイトルを入れてみたところ、「とにかく、砂漠に到着します」と訳された(笑)。
Asteroid Desert Songs - ...Anyway, We'll Arrive at the Desert
2019年、最も美しい音楽と映像ーFKJ LIVE/ウユニ塩湖
FKJを知ったのは、2018年のこと。たしか、コメダ珈琲で仕事したときにたまたまかかった曲(USENかな?)をShazamで調べたところ、それが「SKYLINE」で。浮遊感と透明感あるトラックとボーカルが自分にとってかなりストライクだった。そこからApple MusicやYouTubeで配信されている楽曲や映像を色々漁りだした。
で、先日公開されたウユニ塩湖を舞台にしたライブ映像。これ、2019年で最も美しい音楽と映像なんじゃないかっていうぐらいに何度もリピートして観ている。
FKJは一人で全ての演奏をこなすんだけど、1時間半に渡って、弾いて、吹く。そしてドローンを駆使して、さまざまな角度から映し出す映像の美しさ。本当にたまらない。
NIPPSとCQが語る、ブッダブランドのデビュー前夜
確か、1995年か1996年だったと思う。当時、新宿アルタにあったレコード屋・CISCOで購入したブッダブランドの『黒船』は衝撃的だった。特に「FUNKY METHODIST」の日本語・英語を入り混じった、しかもメロウなフロウに今までの日本語ラップにはない"ホンモノ感"が満ち満ちていた。(その後すぐ『人間発電所』を購入)
そんなブッダブランドのデビュー前夜が、NIPPSとCQから語られるムービーがYouTubeで配信されていて、感慨深い。聞き手は、渡辺志保。
そして、そんなブッダブランドのニューアルバム(!)が世に出た。噂によると、サブスク解禁はされず、デジタル配信も無いとか。聴くならフィジカルを買うしかないという、漢気溢れる新譜。
狂気の山脈にて
日々、寒くなってきて、すぐに冬が来てしまう。そんな今時期に思い出すのが、田辺剛が漫画化したラブクラフト「狂気の山脈にて」。極寒の南極を舞台にした、超古代文明モノで、全4巻。緻密な描写で、ラブクラフトが創り上げた狂気的な世界観を視覚化している。
狂気の山脈にて 1 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス)
- 作者: 田辺剛
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2019年のピチカート・ファイヴ
僕は、1990年前半〜半ばの、所謂「渋谷系」ブームの直撃世代である。HMV渋谷店を発信源とし、音楽以外のカルチャーを巻き込みながら若者たちに巨大な影響をもたらした「渋谷系」の中心はフリッパーズギター(小山田圭吾・小沢健二)ではなく、ピチカート・ファイヴの小西康陽とCTTPの信藤三雄だと、個人的には思っている。そして、それを大衆に翻訳しながら(さらに「渋谷系」現象を面白がりながら)拡散していった川勝正幸の功績も非常に大きいと思う。
……と書くと、止まらなくなるのでここら辺にしておきたいが、2019年11月にピチカート・ファイヴのベストが出た。しかもサブスク解禁。これは嬉しい。しかも今回のアートワークも信藤三雄との話。
そしてこの前、ピチカート・ファイヴを特集したミュージックマガジンに書いてあったのだけど、2018年くらいに「再結成しようと思った」と小西康陽がインタビューで話していて、えっ!となった。結局、その話は流れたらしいけど……。