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音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

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豊田道倫ライブ
WEATHER BY HEADZ PRESENTS<ニュー・アルバム『東京の恋人』発売記念コンサート>渋谷O-nest
Guest Musicians:久下惠生上田ケンジ曽我部恵一Dr.kyOn宇波拓向島ゆり子、川本真琴/Live PA: 内田直之

はじめてパラダイスガラージ(notラリー・レヴァン云々)を知ったのは、94年か95年で高校3年生の時だったと思う。「QUICK JAPAN 6号」で関西スカムシーンが特集され、"わけのわからない歌を熱唱する天才青年「パラダイスガラージ」こと「豊田道倫」"、そんな感じで、インタビューページがあった。当時は、ジョンスペンサーやベック、ペイブメント…といったローファイ感を漂わせるロックが注目されていた時期でもあり、国内に目を移せばコーネリアスが「69/96」で歪んだギターを掻き鳴らしていた頃でもある。
インタビューでは、「長渕剛が好きなんですよ」と言いつつ、「ピチカートファイブにロックを感じますね」とか言っていた(曖昧な記憶です)。その振り幅にも興味を引かれ、なにより、当時出ていたアルバム「ロックンローン1500」が(確か)1500円で売れていて、その安さが極め付けで買った(高校生だし、金ないし。ラフォーレ原宿HMVで買った気がする)。
聴いて、ローファイというより音悪いなー、なんだコレは!?と思った。カセットMTRで録られたであろうアルバム序盤の数曲は、音がこもっていて、本当に「ローファイ」だ。しかし5曲目「五体満足」〜6曲目「移動遊園地」で熱がこもり、パラダイスガラージ独特の振り幅、エレクトロ〜ボッサ〜ラップ〜チープなダンスナンバー〜弾き語り〜ノイズ...に飲まれてゆく自分がいた。
卑猥で、直情的で、かつセンチメンタルな楽曲たちの虜になったわけである。


それから10年。集大成的なライブが行われた。
セットリストなどは、色んな人が色んなブログで書いているようなので、そちらを参照にして欲しい。
とりわけ、バンド編成での「移動遊園地」は私的な感情を込みで感動的だった。