make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

ニューヨーク・レポート(1)

sassin012004-10-08

ニューヨーク・レポート 第一回


岡本太郎スパイダーマン2 〜 駄目人間が世界を救う』

日程:2004年10月7日〜13日
場所:ニューヨーク・マンハッタン


10月7日9時。
東京駅から成田エクスプレスへと乗り込む。

煙たい車両と足りてない睡眠のせいで、活性化しない脳。『これは寝るか本を読むしかないの』と、二者択一の中で考え、文庫本を取り出す。まどろみながら刺激的な信号を発信する文字は岡本太郎のもので、常識にとらわれるな、自分が最大の敵、保身をするなと呼びかけてくる。
『自分を殺せ』、と。

岡本氏の爆発した語句をもって幾分活性化し、搭乗手続きを終え、機上の人となる。

機内では偶然にもニューヨークを舞台したサム・ライミ監督/トビー・マグワイア主演『スパイダーマン2』を上映していた。前作も観ていない私であったが、なかなかどうして見入ってしまった。まず、トビー(=スパイダーマン)が非常に情けない、駄目人間。バイトではクビを宣告され、恋仲のMJには見放されてしまい、挙句の果てにはスパイダーの機能まで不全になってしまう(クモの糸が出ない!)。ペレ的なスタンスで言えばEDである。ネタバレのための途中省略するが、復活して悪を倒すスパイダーマンだったのであった・・・てなお話し。

岡本氏は著書で、「現状の自分に甘んじている人よりも、自分を駄目だと認識している方が、自分をより高いステージに上げる可能性がある」と論じていた。

「克己」の姿勢、このことを夢だか暗闇だかわからない状態のまま、苦しい機上で考えながらJFK空港へ降り立った。