KIRINJIがリリックで表現する世界観について
KIRINJIのベストアルバム『KIRINJI 20132020』が先日リリースされて、ずっとリピートしている。改めて聴いてみると、そのリリックで描かれる世界観が(良い意味で)狂っていると感じた。
特に、その世界観の中で惹き込まれたのが、上記ベストアルバムの最後を飾る”「あの娘は誰?」とか言わせたい”だ。これはマジックリアリズム的な手法を使いつつ、ときには直截的に現代日本を皮肉って警鐘を鳴らしている。と思う。
同曲の歌詞については、以下mikikiのサイトで小説家・奥野紗世子さんが解説している。
KIRINJI『cherish』気鋭小説家 奥野紗世子が読むKIRINJIの歌詞。〈タワマン〉のある世界に堀込高樹は何を見る? | Mikiki
KIRINJI - ANOKOWA DARE? TOKA IWASETAI - Studio Live 2020 (Sub. Español)
未曾有の事態の渦中に
しばらく更新してなかった間に、世界の様相は激変してしまった。
猪野秀史による令和歌謡、……なるほど。
猪野秀史(INO hidefumi)といえば、やはりデビュー盤のマイケル・ジャクソン「ビリージーン」のフェンダーローズによるカバーが鮮烈で、当時愛聴していた。その後はあまりその活動を追っていなかったのだけど、2018年にリリースされた「SONG ALBUM」は、今までと一変して完全な歌モノ。しかも、ピチカートの小西康陽作詞の曲もあり、それがまた哀愁漂う良い曲で染みた。
何かのレビューで昭和歌謡ならぬ「令和歌謡」といった見出しを読み、なるほど、と。そして昨年秋にリリースされたシングル「squall」も渋くてよく聴いている。2020年にはニューアルバムがリリースされる模様。期待している。
INO hidefumi - Billie Jean @ TAICOCLUB'09 KAWASAKI
SKYTREE (スカイツリー) / INO hidefumi
ミッドタウンで鑑賞した「パラサイト 半地下の家族」について
少し前の話になるんだけど、2019年末にミッドタウン日比谷のTOHOシネマズで先行上映されたポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞した。
韓国映画界から世界に飛び出して活躍しているポン・ジュノ作品は好きで、と言っても、それほどマニアックに好きなわけではなく、「殺人の追憶」、「グエムル」、「母なる証明」、「シェイキング東京(短編)」は鑑賞していたけど、その他の作品は未見という程度。
それでも「パラサイト」はカンヌでパルム・ドールを獲っているし、アメリカでもヒットしているという話を耳にし、とても観たいと思っていた。
鑑賞したのは、先行上映初日の午後イチの回。広いシアターの観客席はほぼ埋まっていてた。観終わって思ったのは、世界的に大ヒットした「ジョーカー」と通底するテーマは近いと思うんだけど、物語の構成やアイロニカルなところなどを含めて、本作の方が断然良かった、ということ。
シアターを出てミッドタウンの華やかさの見方が変わる感触を含めての作品だった。
Asteroid Desert Songs「...Anyway, We'll Arrive at the Desert」
Asteroid Desert Songs(A.D.S.)の歌モノ曲である「...Anyway, We'll Arrive at the Desert」は泣けるメロディ。ときおり、無性に聴きたくなる一曲。
Google翻訳で曲名タイトルを入れてみたところ、「とにかく、砂漠に到着します」と訳された(笑)。
Asteroid Desert Songs - ...Anyway, We'll Arrive at the Desert
2019年、最も美しい音楽と映像ーFKJ LIVE/ウユニ塩湖
FKJを知ったのは、2018年のこと。たしか、コメダ珈琲で仕事したときにたまたまかかった曲(USENかな?)をShazamで調べたところ、それが「SKYLINE」で。浮遊感と透明感あるトラックとボーカルが自分にとってかなりストライクだった。そこからApple MusicやYouTubeで配信されている楽曲や映像を色々漁りだした。
で、先日公開されたウユニ塩湖を舞台にしたライブ映像。これ、2019年で最も美しい音楽と映像なんじゃないかっていうぐらいに何度もリピートして観ている。
FKJは一人で全ての演奏をこなすんだけど、1時間半に渡って、弾いて、吹く。そしてドローンを駆使して、さまざまな角度から映し出す映像の美しさ。本当にたまらない。