make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

同情するなら金をくれ


●90年代を振り返っていたら、いくつも切り口が見えてきて、戸惑ったりする。例えば、90年代のグローバルカルチャーアイコンである3つのB。Beastie BoysBeckBjorkについて、言及してみたいけど、これもまた風呂敷がでかい。ということで、今回、テレビ。特に90年代前半のドラマ編。

僕はそこそこテレビが好きで、90年代はテレビと共に育ってきたようなもんなんだけど、90年代ドラマ、特に90年代前半はおもしろい。印象的なのは台詞。中でも、「僕は死にません」(101回目のプロポーズ)と「同情するなら金をくれ」(家なき子)。極貧の小学生が吐く「同情するなら金をくれ」は、バブル崩壊後の世の中を妙に象徴する言葉だった。その頃からか、物質主義がどんどん加速していって、「モノを収集する」ということが高い価値を持ち始めた(一般化)したように思う。しかし今じゃ、物質性というよりも精神性・肉体性が尊重される時代になった。でもその精神性・肉体性が、お金で買えるような時代になっている。ああ、もう複雑…。