白地
そんなもんだから、僕の15〜16歳時代は、「ド」が付くほどの暇人であった。なにをするでもなく、ただただテレビを見続けていたし、一流のDTらしく妄想に耽っていた。そして学校帰りに本屋にいくことが、「ティラミス」のように、人生の「甘味」となった。
そんな中で、熱病にうなされるように一気に読破したのが、香港〜倫敦横断記である沢木耕太郎『深夜特急』。この本を手にしたのは、なんだろう、表紙のロシアアヴァンギャルドを想起させるデザインからか。なにをすればいいのかもわからずただただ学校を行き/帰りする半径5kmの僕のライフに、「世界」が突如として表出した。まさに、「手に汗を握る」かの如くページをめくったのを思い出す。
かといって、感化されて「旅にでる」というアクションをとるほどにアクティブでない僕は、予備校に通ったり、タワレコやHMVで音楽を試聴したり本屋で立ち読みをしながらなんとなく、青春の白地を塗りつぶしていった。
さてさて。
そんな沢木耕太郎の著作をそれこそ10年ぶりくらいに購入してみた。
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/03/28
- メディア: 文庫
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かといって、感化されて「小粋なトーク」をしれっとできるほど人生経験とスキルがない僕は、iPodで音楽を聴いたり、ネット上をサーフィンしたりしながらなんとなく、これから人生の白地を塗りつぶしていくのかもしれない。