ルノアール
あれは大学三年くらいだったから、まだ20世紀の話だったかもしれない。カフェブームが突如到来し、サッシンのメンバーでさまざまなカフェを巡った。代官山、渋谷、表参道…。そして、「ルノ」。ここに落ち着いたりする。渋谷公園通りGAP下の「ルノ」。渋谷明治通りの「ルノ」。そこに腰を下ろす我々がいた。
「ルノ」は青春の1ページだった。
それは紛れもない事実だ。
もう…かれこれ、「ルノ」から足を遠ざけてどのくらいになるだろう。
そんな気分を想起させる本書は、バカサイ世代である私には、これまたリアルに青春の1ページとなる。当時は毎月6日＝relaxの発売日を待ち望み、最終ページにある、このエッセイともフィクションともつかぬ、冗談話を嬉々として読んでいたものだ。
