make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

[時事]最近ドッキリしたこと


岩明均寄生獣」 清水崇監督でハリウッド映画化

おそらく、一番好きな漫画は?という質問に、『う〜〜ん』とうねりながら答えるとすれば『寄生獣』となるだろう。

平凡な高校生・新一はある夜、奇妙な生物に襲われ、右手を乗っ取られる。その生物に「ミギー」と名付けた新一は、この生物が人類を脅威に陥れる生命体"寄生獣"だと知る。時を同じくして、"寄生獣"による無差別殺人事件が社会を賑わしていた・・・。

といったストーリー。
ある二つの価値の真ん中に引き込まれた者が主人公、という意味では「デビルマン」の構図を合致する。しかし、登場人物たちの繊細な心理描写や、きわめてローカルな描き方(ほとんどが新一の住む市付近で起きる話)は、圧倒的に僕の心を掴んで離さなかった。
特に、新一の母親や探偵・倉森にまつわるストーリーは、胸を締め付けずにはいられないくだりだ。
果たしてこの漫画をどうハリウッド映画化するのか?楽しみである一方、不安でもある。思い入れが強い、一ファンである僕は、"消費"される映画だけにはなってほしくない。


■岡村靖幸 覚醒剤で逮捕

これはたいへん残念なニュースだ。とても、哀しい。
僕と岡村ちゃんとの出会いは95年頃、アルバム『禁じられた生きがい』だ。いくつかの媒体で石野卓球がレビューしていたことに起因する。
このアルバム発表後しばらくして、(幾つかのプロデュース業はこなしながらも)岡村ちゃんはメディアから姿を消す。つまり、僕は彼を知ってすぐ、彼は姿を消した。
僕は過去のアルバムをチェックし、その奇妙だが魅惑的なリリックや歌い方の岡村ちゃんに魅せられていく。泥沼の高校〜浪人〜大学前半期は彼の音源から溢れ出す過度なエンターテイナーぶりに笑わせられながらも、助けられていたことは事実だ。カラオケで一人熱唱して、まわりに引かれたことは一回や二回じゃない。
そんな岡村ちゃんは00年以降、ベスト盤や数枚のシングルを発売。以後ライブ活動も再開させ昨年には9年ぶりのオリジナルアルバムを発表した。同時に「NEWS23」や「R30」など、時には地上波の番組に顔も出した。僕を含めたファンは歓喜したことだろう。完全に復活した。ファンの誰もがそう確信したかもしれない。
しかし、しかし、だ!
9年ぶりにアルバムが聴けたというのに・・・。もう彼の新曲は聴けないかもしれない、そんな可能性すら出てきてしまった。
岡村ちゃんの作る楽曲のテーマ。その一つは「青春」。希望や恋愛、自信に満ち溢れながらも、挫折や失恋を経験し自信を失っていく、輝きながらも"バカ"な時代。これを忘れずに、向き合いながら音楽と格闘していた岡村ちゃんの心身はやはりボロボロであったのか?
真相を知る由もなく、彼の罪は許されるべきでないと思うが、その歌声に取り付かれている自分もいる。煩悶している。


最後に、アルバム『Me-imi』(2004)の中から「未完成」という曲の一部を引用して彼の心中を察する。



誰としても妙な後悔が 僕の胸の奥を責める
べらぼうに冗談ばっかの日々が失ってわかったどうかしてたんだ