make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

ぼくらの(3)




『ぼくらの』(鬼頭莫宏)の第3巻も本日発売。
上記した『宇宙戦争』に絡めて感想を。

平凡な15名の中学生がとあるキッカケによって、「ジアース」と呼ばれる巨大ロボットを操り謎の敵と戦うことになった。負けたら地球は滅亡。最初は嬉々とする彼ら彼女らだったが、実は操縦後にパイロットに死んでしまう。という何とも不条理な設定。
宇宙戦争』がエイリアン侵略という大パニックエンタテインメント映画だとすれば、それに唾を吐きかけるのがこの『ぼくらの』だと思う。
「ジアース」は非常に大きく、とてつもなく強い。しかし、敵と戦うごとに、一般市民は攻撃の余波で何千人と死んでいく・・・。その中にはパイロットである中学生の親類がいたりする。しかもパイロットは戦闘後、確実に死んでしまう・・・。

『ぼくらの』はリアリティのない世界の中に、救いようのない現実世界を入れ込むことで、最高の「毒」を見せてくれるかのようだ。