make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。



フランスのスケーター(市立近代美術館にて)

約1週間ほどフランスへ。

これまで行ったことがある国。タイ、アメリカと2カ国、2回のみ。今回は勿論初ヨーロッパ。しかも初海外一人旅。いや異国語とか話せないですよ、オフコース
中学はいりたてのとき、父親にラジオ英会話やれって言われてやった。がしかし、中学でも単語程度しか教えてもらっていない時、ラジオのテキストに出てきたcanの意味が分からないって父親に言ったら怒涛の「けなし」。それ以来、英語は嫌いなんですよ。高校のとき英語の偏差値40くらいしかなかったし。偏差値40からの大学受験でしたよ。まさしく。
さておき、実はフランス語は大学の第二外国語で少し習った。ま、大学の第二外国語っつたらねえ、そりゃもうほとんどやってないのと同じようなもんで。挨拶と数(1〜10)くらいがせいぜい。あとはまあローマ字だからってことで「勘」。

そのレベルで渡仏。一人旅ってこんなもんなんでしょう、バックパッカーの皆様の勇気は「すげえ」の一言。私小心者ですが何か問題でも?

で行きの飛行機。成田発JAL便。やっぱここは27歳ってことで落ち着いて映画でも見ましょうなんてラインナップを見しな愕然。「世にも不幸な物語」とか「アレキサンダー」とか。興味がねえ。一応ホラーも好きなんで「着信アリ2」を頑張って見ようしたけど10分でダウン。で27歳の男が意地で「ゲーム」。シューティングみたいなの。JAL便の飛行機についてるオリジナルゲーム。何やってんだか。

機内で無意味な12時間を過ごし、何とかフランス・シャルルドゴール空港へ降り立つ。小心者なんで、入国審査も若干の緊張。でも意地で「ボンジュー」と審査官に挨拶。何事にも挨拶は大事。サラリーマンになるまでわからなかったけど。

空港で伯父さんと待ち合わせ。パリ郊外に住んでいるので、到着した日は一晩泊めてもらうことになっている。無事に落ち合い、車の中で聞いた話。「フランス人の勤務時間は週35時間と決まっている」。「まじっすか!?」の一言。ということは1日7時間働けばいいということ。まあ、全ての職業がそういくかってことはないとは思うけどね。そして伯父の話は続く。「フランス人から見ると日本人(みたいに働くのは)は気狂ってると思うだろうね(苦笑)」。仕事に対する価値観が全く違う。おそらく過労死とかって全く「意味わかんねえ」(@フランス人)ってことなんだろうな。仕事で家庭を犠牲にするとか。鬼の残業とか。そんな話を聞いてフランス人を見ると、余裕がすんげえあるように思える。人間として「ナチュラル」。でも余裕があるからそれが嫌味を伴わないし、受け手としても余裕があるからあまりトラブルにならないんじゃないかな。
だから「個」を尊重する文化が成熟している。そんな感触を得た。

初日の夜は伯父の家の回りをブラブラ。いわゆる散歩。行列が見えた。「アレなんですかね?」「映画館。なんか話題作でもやってるのかな」。ということで近寄ってみると。例のサーガ。スターウォーズ・エピソード3。これは一足先に観て帰ろうと思う。そのあともブラブラ。どうやらMONOPRIX(モノプリ)っていうスーパーがパリ各地にあることが分かる。ニューヨークと同じで、コンビニ的なものはないとのこと。言葉が良く分からんので、小心者にとっては店員と会話しなくていいこういう店があると安心。

2日目は朝っぱらから次のホテルにチェックイン。取りあえず一番行きたいなと思っていたポンピドゥーセンターを目指すことにする。歩いては行けそうもないので、メトロを利用する。パリ市内には約300ものメトロの駅があり、市民の足として利用されている模様。勿論東京の地下鉄とのシステムも全く違う。何処に行っても一律料金。ちょっとお得な回数券(10枚で10ユーロ)、カルネを購入。ここでも小心者なんで、駅員のいるところじゃなく券売機を利用。札入れに10ユーロ札を差し込むがなかなか上手くいかん。っていうか札と挿入口のサイズが違う。「はぁ?」って疑問は残ったが、意地でコイン攻撃。持っているコインをガンガン入れる。ギリで10ユーロあった良かった。
ちなみに、札入れと思っていたところはクレジットカードか何かを差し込む口だったようだ。

「メトロにはスリがいる」。
親も実際に出くわした。伯母も実際にすられた。ってことで、散々「スリ」には気をつけろ、と言われる。私の脳内ではハンチングを被ったイタリア人ぽいオヤジのスリを想像していたが、実際のスリは若者だとか。移民系に多いらしい。ジプシーとかかな?って事で超細心の注意を払う。とりあえず危険そうな人と同じ車両には乗らない。しかも乗ったらすぐに座る。座ればスられる確率が下がるだろうと。しかも「しかめっ面」。舐められたらいかん。この戦法でスリには会わずにやり過ごせた。

ポンピドゥーまで、少し迷いながらも何とか到着。街中で日本のガイドブックを見るのも舐められるかもしれんってことで、意地で現地のフランス地図を購入。気分は西洋人。
ポンピドゥーはモダンアートが主。ウォーホール以降って雰囲気。ポップ。楽しんだ。
その足で今度はシテ島に行く。
パリ市内ってのは真ん中にセーヌ川が流れている。その中州みたいな島が「シテ島」。そこにある寺院がノートルダム。でかい。でかいなあ。見上げた。東洋人の私が西洋の宗教建築を見て驚く。たぶん逆もしかりなんだろうな。西洋人の気持ちになってみて京都・奈良とか行ったら「なんでこんなでっかいあぐらをかいてる像を作るのかッ!マジでやばいぞ!!」「この金ぴかに光る寺って何考えとるんか!マジでキとる!!」とか言ってデジカメで激写するってなもんだろう。それと回路は同じ。私もデジカメで激写。

2日目はこんなもんかな、と思ってホテルに帰るが火照りは収まらんってことで、風俗を探すかと、いや違う、できるだけ観光しとこうという突き上げる衝動により、歩いてエッフェル塔へ。高さは東京タワー以下だったような気がしたけど、横に大きい気がしたなエッフェル。着いた時点で夜9時頃。しかし陽は落ちない。夕方みたいな感じ。一応折角だから一番上まで行こう、と。入場券を購入。途中、塔の装飾でキラキラと光りだす。すると観光客が大盛り上がり。「ワーオ」とかなんだか言ってる。感情表現がストレート。日本人ならこんなことは絶対しないだろうなぁ。ちなみに私、高所恐怖症。てっぺんまで行くエレベーターが怖い(今キーボートを打ちながらも、思い出して汗をかきそうだ)。丁度一番上に着いた頃に日暮れ。良い眺め。いや怖いんですけどね。

そして3日目。
この日はシャンゼリゼ大通りで凱旋門を見、その後パレ・ドゥ・トーキョー(http://www.palaisdetokyo.com)へ。ここでやっていたカタリナ・グロッセ展にはガツンとやられた。天井が高い会場に巨大なグラフィティとも言えるような。↓の写真。


■カタリナ・グロッセ Katharina Grosse
1961年ドイツ・フライブルグ生まれ。96年よりドイツ・アメリカ・スイス・オーストラリア等で個展・グループ展を開催。99年にはテキサスのチナティ財団のアーティスト・イン・レジデンスに参加。2001年、韓国・慶州のアートソンジェ美術館、ロンドンのホワイトキューブギャラリーで個展を開催するとともに、イスラエル、ブラジル、チリでもグループ展に参加している。
http://www.cwo.zaq.ne.jp/bfac6008/lib/031101ESSG.htm より

その後、ヴェルサイユに行きました。

今日はこのくらい。気が向いたら「渡仏記2〜ルーブルスターウォーズ鑑賞」を書きます。