make no statement

音楽や映画、本などの感想や、日々思うことなどをゆるく。

思う 考える 伝える は難しい



昨年あたり、チェ・ゲバラが少し話題となった。多くの雑誌や書籍で取り上げられているのを目にした。

行き詰ったこの社会をどうにかしたいという漠然とした意思が、一人の革命家にスポットを当てさせたのかもしれない。など思いつつ、電車に乗っていた。目の前にはスーツを着た若いサラリーマン。食らいつくように文庫本を読んでいる。表紙を見れば『将太の寿司』。彼はページを最後まで開くと、また最初に戻って再読し始めた。

・・・ループ。

ちなみに乗っていたのは山手線。環状線。これもループ。

グルグルグルグル、世の中は回っていて、気付いたらまたその場所に戻っている。「私はどこにいる?」日々の暮らしは毎日の繰り返し。今日の延長。変わりたいけど変われない。不安が身に付きまとう。「変わる」きっかけもない・・・。

『漠然とした不安』と『きっかけのなさ』が蔓延し、それ自体が人々の不満となり、刹那的な解消方法でその不満をかき消そうとする。

気持ち良いことしたいなあ という刹那。

あまりに短期的なものの見方をし過ぎで、遠くを見れていない。そんな気がしているここ最近の僕の気分。

で、前のブログにも書いた↓この番組を見ていた。

TBS
筑紫哲也VS爆笑問題の『拝啓ブッシュ大統領閣下!!あなたが語らない10の秘密』
2005年1月26日 21:00〜
アンカー:筑紫哲也
メインキャスター:爆笑問題
ゲスト(ブッシュ支持):石破茂山本一太チャック・ウィルソン岡崎久彦宮崎哲弥
ゲスト(ブッシュ不支持):菅直人テリー伊藤、パックン、姜尚中大野元裕

番組の基本スタンスは"アンチブッシュ"。これはブッシュに関する多くの秘密を解き明かすVTRからして、そのスタンスが読み取れた。たぶん参考していたのは"華氏911"と"町山智浩さんのブログ"のような気もしますが。

番組内では、ブッシュ支持・不支持に分かれて討論をしていたのだけど、いかんせんVTR部分が長すぎで、討論シーンは少なすぎ。番組全体のトーンも報道的なのかバラエティ的なのか曖昧。おそらく「サンデージャポン」の雰囲気で番組を作っていこうと思っていたようですが、筑紫哲也+論客の方々がその空気ではなく、番組テイストが中途半端になってしまっているように見えた。

これだけ急激に強引なパックスアメリカーナが進んでいる状況について警鐘を鳴らす、しかもゴールデンタイムに"アンチブッシュ"的スタンスで放送する、というのはある意味、チェ・ゲバラじゃないけど"革命的"かもしれない。

テレビメディアは非常に刹那的だけど、この番組が警鐘を鳴らしているのだから、目を背けないで"考えていく"ことが必要だと思う。

いろんなことが不安で恐いけど、手で顔を覆ってもいいから、指の隙間から"それ"を直視しなければ。

と、大学時代まともに人の目を見て喋れなかった僕は小さく思います。



んーでも"気持ち良いこと"はしたい、ね。"刹那"という単語は好きです。