ニューヨーク・リポート（５）

ニューヨーク・リポート第五回
『メディアと既知感』

埼玉県で男女７人集団自殺（http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041014-00000638-jij-soci）。『男女７人秋物語』どころの話ではない。報道は常に残酷かつ客観的に、その事象を伝えていく（歪曲も多々ありますが・・・）。

20世紀以降は、映像メディアの世紀と言っても良いかもしれない。僕らは映像を通して、モニターを通して、様々な事象の瞬間を動画で見てきた。もうそれはありとあらゆる国々の、民族の、海中から宇宙までをも、"見てしまっている"。僕を含めた視聴者それでも飽き足らず、さらなる映像の刺激を刺激を渇望する。TVクルーは、未開の地へ赴き、誰も知らなかった世界を映像に収めようと試みる。映画は想像の範疇を超えた映像を作り出した。

ニューヨークは"見てしまっている"ものばかりだった。自由の女神、エンパイアステートビル、セントラルパーク、タイムズスクエア・・・。「あ、ここ見たことあるー!」。そんな場所ばかり。現代の観光とは、『メディアを通して見たもの』を追体験する作業なのかもしれない。

メディアに接する仕事をしていた上で、今回のNY、それを強く感じた。